第19回
平 よおさん
ケトジェニクダイエットアドバイザーNo.303(作詞家/一般社団法人日本平和学研究所事務局長)
糖質制限とケトジェニックダイエットの違いを正しく伝えたい!
本から得た知識で自己流の糖質制限ダイエットをしていた平さん。健康な体とかけ離れていく危険を感じていた頃に「ケトジェニックダイエット」に出会いました。「最新の栄養学、健康になるための知識を勉強することは、食文化や人類史をも深く掘り下げること」と、読書好きならではの視点で勉強し、シニアアドバイザーにも認定! まだまだ横行する「糖質制限だけ」ダイエットにカツを入れ、正しい健康食を広めたいという意欲にあふれています。
自己流の糖質制限では健康から遠のくばかり
現在の職業はプロの作詞家さんなんですね?
ずっとシンガーソングライターとして音楽活動をしていたんですけれど、10年ちょっと前に作詞家一本になりまして。
そのほか文化事業といいますか、文藝評論家の小川榮太郎氏が法人をつくる時に設立メンバーに入りまして。それからずっとそちらの仕事もしているんです。今は作詞家との二本立てです。
職業とケトジェニックダイエットアドバイザーが、あまり結びつかないのですが?
食べることやダイエットというのは、誰にとっても身近な問題だと思うんです。自分でもライブをやったりしてステージに立っていたので、見た目は気になりますよね。太ったり痩せたりしながら、ずっとダイエットに興味がありました。
音楽活動をやっていた時はいろんなバイトをしていたんですが、その中でも飲食店の厨房のバイトをいくつかやってたんです。ジャンルにこだわりはなかったんですけど厨房が多かったですね。お皿持つのとか緊張するタイプなので、ホールよりもっぱら作るほうでした。
そこから健康食につながっていくのですね?
料理も好きだし、食べることもお酒を飲むことも全般的にすごく好きなので、ケトジェニックダイエットにつながっていくのは自然といえば自然だったかもしれません。
自分でも日常的に料理をしていたので、せっかく作るなら美味しくて体にいい物を食べたいな、というのはずっとありました。例えば、玄米に凝ってみたりするんです。自分で発芽させてキヌアとかアマランサスと混ぜて炊いたりとか。そんなふうにちょっと凝るのが好きでしたね。
とはいえ、年齢とともに痩せにくくなってきたのが気になっていました。炭水化物抜きダイエットが流行り出して、自分でもやってみるとスッと体重が落ちるんですが、なかなか継続できなかったり。
仕事が忙しい時期に「忙しいから今日はご飯食べないでいいや」なんていう日もたくさんあって、その代わり缶コーヒーなんかは飲んでいたんです。
そのうち、なんだかクラクラ立ちくらみがしたりして、ちょっと具合が悪くなってきちゃって…。もちろん食べないと痩せはするんです。でも「いや、このやせ方は不健康だな。ちゃんとしないとな~」と考えてました。
そんなふうに自己流はダメだと思っていたところ、読書好きな友人がSNSの投稿で「糖質制限についての本を読んですごく衝撃を受けた」みたいなことを書いていたんです。
へえ~と思って私も真似して読んでみたら、びっくり! 食生活の常識を覆すようなことをたくさん知りました。そこからはもう関連図書というか、「糖質制限」で調べて出てきたものを片っ端から読んでみました。
関連図書は、主にどんな種類の本ですか?
新書でパッと読めるヤツはいっぱい読みましたね。逆にレシピ本などはそれほど読まなかったかな。
最初は確かに実践本みたいなものから入っていきました。その後、実践ハンドブックみたいな、おおよその糖質量が書いてある本なんかも買ってみたり。
ただ、それを見て糖質を食べないだけでは健康からはかけ離れていく気がして。やっぱり自己流だと限界があるなと感じて、それでケト検を受けようと思ったんです。
本で紹介されていた「日本ファンクショナルダイエット協会」を検索して、「ああ、資格が取れるんだ!」とわかって、すぐ申し込んじゃいました。知ってから行動まで早かったですね。

白米食が当たり前になったのは、ごく最近だったという衝撃!
実際にケト検を受けてみて、どうでしたか?
実践的な本ばかり読んでいてはわからなかったことを学びました! ケト検では、まず初めに理事長 白澤卓二先生の講義をみっちり受けるんですが、そこでもういろいろなことがしっかり理解できました。
印象的だったのは、ネアンデルタール人の話が出てくるところ。「ああ、こういう人類的な話なんだな」というのが嬉しかった部分です。その話がとても衝撃的だったので、そこでまた自分の中で新しい楽しみができた感じ。
社会思想としての食というか、社会の構造の移り変わりや文明の移り変わりと「食」がこんなにも密接な関係があったんだ! ということが発見でした。それでもっとケトジェニックダイエットの考え方にハマっていったというか、面白くなってきたんです。
その辺をもう少し具体的にいうと?
例えば、ケトジェニックダイエットや糖質オフ、糖質制限をしていると言うと、「日本人なのにご飯を食べないなんて信じられない」「やっぱりバランスよく食べないとダメなんじゃない?」なんて言われる。
でも、ちょっと違うベクトルの本などを読んでいくと、白米食が当たり前になったのなんて江戸の中期以降くらいからだったとわかる。とても最近のことですよね。
一汁三菜なんていうのはもっと最近で、明治以降だったという事実。「ああ、なんだ~。今まで私たちが常識だと思っていたことは、人類全体の歴史で言うと本当に短くて、こんなちっぽけなことだったんだ」と思って。
そう考えたら、もっと大きなビジョンで自分たちの食生活というものを見つめていきたいな、と思うようになったんです。

社会学的な楽しみ方をしているわけですね?
ええ。それで、今はちょっとジャンルの違う本を読んだりしています。最近ハマった面白かった本を持ってきてみたんですけど…。
「海賊の歴史」。海賊の歴史なんて、どうして食べ物と興味あるのって思うかもしれないんですけど、実は人類の食生活を変えていくのに重要な役割を果たしてたんですよね。
海賊の行動範囲内でスパイスや紅茶やいろいろな物が取り引きされていって、それでヨーロッパの食文化が変わっていくというのも面白い。
そして「塩の歴史」と「砂糖の歴史」。塩は調味料としてよりも食物の保存のために長く重宝されてきて、砂糖のほうは奴隷の歴史と関わりが深い。世界の文明や産業の発展が人類の食生活を左右してきたんだな~と。
砂糖はけっこう想像つくかもしれなですけど、プランテーションで黒人の奴隷の歴史と関係があるとか、小麦とかトウモロコシなどもからんでくるんですが、とても面白いなと思って。
「Against the Grain」。これは壮大なスケールで古学的視点も含め農耕から国家形成の人類史に挑むような本。英語なのでゆっくりしか読めてないんです。留学してたことがあるので英語はちょっと読めるんですけど、学校で読んでたのとはまたジャンルも全然違うのでなかなか大変。頑張って今年中に読み切りたいと思っています。
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